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小説「しゃべるひと、きくひと(上)」
あおやん
2011-06-26
はじめまして、期待の大型新人こと、あおやんです。
何がでかいか、って言うと、態度がでかいです。いやいや、そんなことはないはずです。
頭(ず)は高いけど、腰は低いのです。ちにみに両腕は前にピンとのばして地面と水平に。
…と、勘のいい読者の方なら、気持ち悪いポーズをとっている人の姿が想像できることでしょう。それがあおやんです。太ももがプルプルしてきました。タイピングもままなりません。
という過酷な条件下で僕が書いている短編小説を載せていきます。日夜(主に夜)悪戦苦闘しながら、とっても愉快でユーモアあふれる、比類なきオモシロ小説を創作しております。
…すいません、いい加減にします。
少し真面目な話をします。
僕はもともと小説を読むのが好きだったのですが、いつからかそれだけでは飽き足らなくなりました。鳥肌が立つようなすごい物語や、イメージがわき出るような描写を読むと、
「ああ、自分もこんな文章を書くことができたら、どんなにか楽しいだろう」
「自分の書いた文章で誰かが感動してくれたら、どんなにか嬉しいだろう」
と憧れを持つようになりました。
僕は僕自身の理想の物語・文体を追い求めると同時に、誰かを感動させたり、共感させたりしたいのです。欲張りでしょうか?しかしそのための努力はしてきました。このコラムもその努力の一つになります。
僕の挑戦の過程をとくと見よ!
ということで、以下二回に分けて小説「しゃべるひと、きくひと」を掲載します。どうぞこの続きをご覧ください。
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「これから何十年と生きるとして、僕がこの世界に貢献できることといったら何があるだろう。たとえば僕はいま営業マンとして働いていて、多分出世街道からはいささか道をそれていて、妻と子供はいるけれど養っていくのに精いっぱいの給料しか稼ぐことはできない。かといって僕にはパーソナリティというか、人間的な深さといったものは微塵も感じられないわけであって、僕が死んだら家族に、あるいは社会に何を残せるだろうか」
「なんだろうね」
「少なくとも財産でないことは確かだ。脈々と受け継がれて老朽化したボロ家屋を賢しらな僕の子供は受け継いでくれないだろうよ。まったく誰に似たんだか、あの小生意気な性格。僕と妻との遺伝子を半分ずつ分けているとは到底思えない。最近では文学なんて気取ったものを読みだしてね。ミシマがどうとかタニザキがこうとか、もったいぶったように、それは違うよお父さん、なんてかますもんだから、こちとら鍛え上げた鉄拳でもかまそうかと思ったくらいさ」
「それは大変だね」
「もちろん僕はそんなことをしないさ。歩く紳士と呼ばれてるくらいだからね。紳士はもともと歩くんだけどさ。いや、僕がつけた呼び名じゃないんだからそこまでの責任は持てんよ。引責辞任なんてしたら妻と子供が路頭に迷う。この世の中は迷宮だからね。一度迷ったら大変だ。まるで九龍城だよ」
「それはいいたとえだ」
「まあ実物を見たことはないんだがね。しかし僕はパイナップルがなっている状態もみたことがないからな。そもそもパイナップルが果実であるという常識は怪しいと踏んでいる。だってあんな巨大な果実をぶら下げるなんて相当の大物だよ。そんな人目を引く存在が僕の目にとまらないわけはない。もちろん生育条件が日本では整っていないから通りがかりに目にすることはないにしても、メディアに全く露出しないなんてことはあり得ないと思うんだ」
「確かにそうだ」
「いや、待てよ。もしかしてパイナップルはキャベツのように地面にへばりついて育つのか。スイカの存在を考慮すればあり得ない話でもない。しかし頭から葉っぱが生えているのに下にも葉っぱが生えているというのか。僕は葉っぱの生えている方を頭だと思っていたが、もしや逆だったのか。気付いてしまった今となってはそうのほうが想像しやすい。それではパイナップルはまるで睡蓮ではないか。僕は睡蓮が好きだけれど」
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